たまプラーザはら内科・消化器クリニック

超音波検査

超音波検査とは

超音波を機械で体内に送り、その反射波から臓器の大きさや形状などを調べる検査です。すい臓がんなどの悪性腫瘍から動脈硬化まで、幅広い病気の発見に役立ちます。
超音波検査は音を利用した検査ですので、放射線の被ばくによる影響はありません。妊婦さんの定期検診にも用いられるように、繰り返し検査を行っても身体には支障がありませんし、痛みもまったくない、体に優しい検査です。

次のような方に超音波検査をおすすめ

腹部超音波検査(腹部エコー検査)で発見できる疾患

肝臓

栄養の貯蔵や解毒などのはたらきをする臓器です。
  • 肝血管腫
    (かんけっかんしゅ)

    肝臓の腫瘍の中でも多く見つかるもので、血管の細胞で構成される良性腫瘍です。多くが良性腫瘍ですが、中には徐々に大きくなるものもあるため、経過観察が必要です。大きくなるものの中には悪性腫瘍の場合もあるので、定期的な検査を受けましょう。

  • 脂肪肝
    (しぼうかん)

    肝臓に脂肪がたまった状態で、健診で肝機能異常を指摘される方に多く見られます。糖尿病や高コレステロール血症など、生活習慣病との関係が深く、メタボリックシンドロームや飲酒、運動不足などが原因であることが多いです。
    脂肪肝と診断されたら、肝臓以外の臓器やコレステロール、血圧などにも注意が必要です。

  • 肝嚢胞
    (かんのうほう)

    肝臓の中に液体を含んだ嚢胞がある状態です。比較的よくみられる病気で、単発あるいは多発しますが、多くが無症状です。嚢胞が大きくなると腹部膨満感や圧迫感などの症状が起きることもあります。また、腎臓にも同様の嚢胞が多数認められる場合があります。

  • 慢性肝障害
    (まんせいかんしょうがい)
    肝硬変
    (かんこうへん)

    肝障害が継続的に起こっている状態、または起こっていた場合に見受けられます。原因としては、飲酒や脂肪肝、B型肝炎、C型肝炎、自己免疫性肝疾患などがあります。原因を見極め、精密検査で進行具合を判断して治療方針を決めます。慢性肝疾患が進行すると、肝硬変になります。

  • 肝腫瘍
    (かんしゅよう)

    腫瘍には、良性のものと悪性のものがあります。良性か悪性かは、エコー検査で判断できる場合と、エコー検査だけでは判断できない場合があります。エコー検査だけで判断できない場合は、肝生検などの精密検査のために提携先の総合病院をご紹介することがあります。また、肝臓の場合は他臓器で発生した悪性腫瘍が転移していることもあるため、大腸など他の部位も検査する必要があります。

  • その他

    肝内石灰化・肝内胆管拡張・肝内胆管結石・肝嚢胞性腫瘍・気腫など。

胆のう

胆汁を濃縮して貯蔵しておくための臓器です。飲食で収縮してしまうことがあるため、絶飲食での検査を行います。
  • 胆泥
    (たんでい)

    胆のうの中の胆汁が泥のように変化した状態です。胆汁のほかにも、感染に伴う炎症性産生物の場合もあります。がんなどの腫瘍と紛らわしい超音波像を示すことがあるほか、胆泥に紛れて詳細な観察が困難な場合もあるため、精密検査が必要です。

  • 胆嚢結石
    (たんのうけっせき)

    いわゆる「胆石」です。胆嚢の中に石ができて、胆嚢炎や胆管炎の原因となります。胆嚢がんを合併していることもあるため、精密検査が必要です。また、胆嚢壁が厚くなっている場合や、結石の後方の胆嚢壁が観察できない場合は注意が必要です。

  • 胆嚢腺筋腫症
    (たんのうせんきんしょう)

    胆嚢の壁が全体、もしくは部分的に厚くなる良性疾患です。人間ドックや健診で指摘されることが多いです。中には悪性腫瘍との見分けが難しいものがあるため、MRIなどの精査が必要です。

  • 胆嚢ポリープ
    (たんのうぽりーぷ)

    胆嚢の内側にできる隆起で、人間ドックや健診受診者の1割程度に見られます。良性のものがほとんどですが、中にはがんの場合もありますので、精密検査が必要です。

  • その他

    胆嚢気腫・胆管拡張・胆管気腫・胆管結石・胆管腫瘍・胆管壁肥厚・胆嚢腫瘍・胆嚢腫瘤・胆嚢腫大・びまん性胆嚢壁肥厚など。

膵臓

超音波検査では確認しづらい臓器のひとつで、確認できる場合でも全体の1/3程度しか見えないことが多いです。水を飲んだり起きた状態になったりすると、多少確認しやすくなることがあります。
  • 膵嚢胞
    (すいのうほう)

    膵臓の中に液体を含んだ嚢胞がある状態です。この液体は、膵液の場合や、炎症によって液体がたまっている場合、液体を産生する腫瘍ができている場合など、さまざまなケースがあります。良性・悪性の判断が難しいこともあるため、MRIやCT、内視鏡などでの検査が必要な場合もあります。

  • 膵腫大
    (すいしゅだい)

    膵臓が膨れて厚くなっている状態です。膵炎などの炎症や腫瘍の可能性もあるので精密検査が必要ですが、膵臓の大きさには個人差があり、もともと膵臓が大きい方もいます。

  • 膵萎縮
    (すいいしゅく)

    膵臓が薄くなっている状態で、慢性膵炎が原因となっていることが多いです。膵臓の機能が低下している場合があるため、精密検査や治療が必要です。膵腫大と同じく、もともと膵臓が小さい方もいます。

  • 膵腫瘍
    (すいしゅよう)

    他の腫瘍と同じく、膵臓の腫瘍にも良性から悪性までさまざまな腫瘍があります。代表的な悪性腫瘍である膵がんは、初期は悪性と判断するのが難しいことが多いため、精密検査が重要です。

  • その他

    膵管拡張・膵腫瘤・膵石など。

腎臓

  • 腎嚢胞
    (じんのうほう)

    腎臓の中に液体を含んだ嚢胞がある状態です。比較的よく見られ、単発あるいは多発します。基本的には良性ですが、大きいものは症状が出ることもあります。また、嚢胞が多発している場合は腎機能に障害が出ることもあります。

  • 腎結石
    (じんけっせき)

    腎臓にできた結石です。小さいものは自然に排出されることもあります。大きい場合は、尿路に詰まって痛み(尿路結石)が出ることもあります。

  • 腎萎縮
    (じんいしゅく)

    腎臓が縮んで小さくなった状態です。慢性的な腎機能障害などがある場合、徐々に腎臓が小さくなっていくことがあります。ほかの原因には、糖尿病性腎症や結石などがあります。

  • 水腎症・腎盂拡張
    (じんうかくちょう)

    何らかの原因で尿の流れが滞り、腎臓の中に尿がたまってしまった状態です。結石や腫瘍が原因の場合があるため、精密検査が必要です。重症化したものを「水腎症」といいます。

  • 腎血管筋脂肪腫
    (じんけっかんきんしぼうしゅ)

    腎臓で見られることの多い良性腫瘍で、血管・筋・脂肪でできています。経過観察で済むことが多いですが、出血の危険性がある場合もあります。

  • 腎腫瘍
    (じんしゅよう)

    他の腫瘍と同じく、膵臓の腫瘍にも良性から悪性までさまざまな腫瘍があります。悪性腫瘍の代表的なものは、腎細胞がんです。

  • その他

    膵管拡張・膵腫瘤・膵石など。

検査の流れ

検査前の注意点

腹部超音波検査を受ける場合、朝食または昼食を控える必要があります。
喉が渇く時やお薬を飲む必要がある時は、水かお茶を少量飲んでも構いませんが、乳製品を含むものは避けてください。表在・血管の検査を受ける場合は、お食事を取ってもいただいて構いません。
また、検査する際は検査部位にゼリーを塗りますので、湿布やガーゼなどを事前に外していただくことがあります。
  1. 1検査前

    事前の注意事項確認のうえ受診ください。

  2. 2検査

    検査中は必要に応じて、体位を変えていただくことがあります。また、座ったり四つんばいになったりしていただくこともがありますが、つらい場合は検査担当者にお申し下さい。検査中に必要に応じて水を飲んでいただき、胃のガスを抑えて周辺の組織を見やすくすることもあります。

  3. 3検査時間

    検査時間は、検査内容や患者さまによって異なりますが、腹部超音波検査では10~20分程度です。予約制ですが、緊急性のある患者さまがいらっしゃる場合などは検査の順番が変わることがありますので、ご了承ください。

医師紹介

超音波検査担当 桜井 正児

元 聖マリアンナ医科大学 超音波センター

  • 日本超音波医学会
    超音波指導検査士(腹部領域)
    超音波検査士(消化器・循環器・体表・泌尿器)
  • 日本乳がん検診精度管理中央機構
    乳房超音波講習会A判定

ページトップへ